【ゆる体操の「いい話」シェア】女流名家舞踊大会に、「ゆる体操」の可能性を見た！（１）＜２０２２０４０３配信＞

【ゆる体操の「いい話」シェア】女流名家舞踊大会に、「ゆる体操」の可能性を見た！（１）＜２０２２０４０３配信＞

２月２日配信の「神楽坂ゆる通信〈第４００号〉」でご案内をさせていただきましたが、
２月２３日（水・祝）に国立大劇場にて「第九十六回　女流名家舞踊大会」が行われ、本校会員の
長澤永子（西川喜之華）さんが出演されました。
 
ご存知でない方もおられると思いますので補足しますと、この大会は日本舞踊の各流派（花柳流・
藤間流・西川流派・・・等）の代表となる女流舞踊家が集まって競演する、スポーツの試合に例え
れば日本舞踊の全日本選手権のような位置づけの大会となります。
 
その大舞台で今回長澤さんが踊った演目は、女流舞踊の最高峰とも言われる「英執着獅子（はなぶ
さしゅうじゃくじし）」。
 
日本舞踊の演目の中には、高度でダイナミックな動きを伴う演目と動きは少ないものの高度で繊細
な表現力が問われる演目がありますが、今回の演目は前者の方向での代表的な難曲、と言うことが
できます。
 
日本舞踊と言えば、「見る側」の私達は艶やかな衣裳を身に纏った女性が華麗に舞う・・・と言っ
た優雅で華やかなイメージを思い浮かべますが、「演じる側」からすると、これは大変過酷な身体
運動でもあります。
それは前述の「動きが少ない」演目についても同様ですが、今回のような演目では更に、聞くとび
っくりするような悪条件が重なります。
 
今回の「英執着獅子」は、前半に遊女が華麗に踊る場面、後半にその遊女が獅子に変貌し舞い狂う
場面があり、長い獅子の毛を体いっぱいに振り立てる「毛振り」がクライマックスの見せ場となり
ますが、まず、華麗に踊る遊女の衣装の重さが３０キロ以上になります。
ボディビルダーが３０キロの重りを持ち上げるのではありません。
細身の女性がこれだけの重りを身に纏って、何十分も「華麗に」踊り続けるのです。
 
そしてクライマックスの「毛振り」。
この獅子の毛の衣裳にもかなりの重量があり、舞台本番でこの「毛振り」を行い、何とか役目を終え
舞台を下りた後、腰や首の負傷により病院に担ぎ込まれるような事例もある、という話を伺ったこと
があります。
 
このような過酷な身体運動を伴う今回のような演目は通常、３０代までの若い舞踊家が、事前に筋ト
レなどの準備を十分に積み重ねた上で取り組むことが多いようで、「ゆる体操」と出会う前のかつて
の長澤さんもそうしたお一人だったそうです。
 
その、過酷で、かつ最高度の難度をもつ難曲に、これまで１１年間、「ゆる体操」を通して脳と身体
の“達人化”を目指すトレーニングを積み重ねてきた５８歳の長澤さんが挑戦した。
 
さて、どんな舞台になったのか?
・・・ということが、身体運動としての観点から見た、今回の舞台の最大の注目点になるかと思います。
 
（長澤さんの今回のパフォーマンスの価値をより正しくご理解いただくために、ご本人の了承をいた
だいた上で敢えて年齢も明示させていただきました）
 
そして当日の舞台は・・・。
 
＜→　次号「女流名家舞踊大会に「ゆる体操」の可能性を見た！（２）」に続く＞